コロラド州の蛍石

 

コロラド州の蛍石では菱マンガン鉱で有名なSweet Home鉱山から産出した青紫の標本が人気と知名度で(そして絶産であるため価格においても)群を抜いているでしょう。しかしコロラド州は、スイートホーム以外でもUnaweep Canyonの紫水晶と層をなす緑の蛍石や、Lake Georgeなどの煙水晶やアマゾナイトと共生したもの、Mt. Anteroの八面体など、知名度は劣りますが非常に個性的なものが揃った集めがいのある場所なのです。日本国内で見かけることが少ないのがたまに傷ですが。

 

 



Sweet Home Mine

Sweet Home Mine, Mount Bross, Alma District, Park Co., Colorado, USA

20mm×10mm×5mm


鉱物界においてはピンク色の菱マンガン鉱で超有名でしょう、Sweet Home鉱山。

そのSweet home鉱山では紫~青色の蛍石が、ニードルクォーツや菱マンガン鉱とともに産出されていました。 形は立方体や、立方体に十二面体の面が表れたものが主ですが、中には純粋な十二面体のものも産出したことで知られています。

この標本はそのPureな十二面体結晶の1サンプルです。


2㎝ほどの細い水晶を軸として、紫色の十二面体な蛍石と水晶や黄鉄鉱が見られるサムネイル標本。かの有名な菱マンはついていませんが、スラッと端正ないでたちでよいものです。


100年以上歴史のある鉱山ですが、2000年代前半に閉山して以降標本の入手が年々困難になっているSweet Home鉱山。 菱マンガン鉱はもはや青天井状態ですが、蛍石標本も良品の入手はかなり限られる現状。 この鉱山の蛍石で大きく成長したものはShangbao鉱山の良品に似るとのことですが、見かける機会に恵まれません。 

閉山した有名鉱山の標本を集めたいと思うと、もっと昔から鉱物にはまれば(もっと早く生まれていれば)…と考えてしまうのはコレクターの性なのでしょう。


Lakeview Load

Lakeview Load, Park Co., Colorado, USA

30mm×25mm×20mm

Collected c. 2015

 

ベージュ色をした微斜長石に淡いラベンダーカラーの蛍石がのった標本。

淡いラベンダーのところどころには濃い紫の斑点が浮かんでおり、それがまた乙。微斜長石を八つ橋に、蛍石をグミに見立てて眺めたりも。

 

微斜長石(緑になればアマゾナイト)と煙水晶との共生標本はコロラド州の銘柄標本ですが、それらと蛍石が共生することもあります。細かな産地の違いはあるとはいえ同じPark Co.であり、これもそういったものの中の一つとみることもできるのでしょう。

 

なお、土地の所有者(あるいは採掘権を得た人かもしれませんが。)が採集して、アメリカのミネラルショーなどで販売している産地のもの。ちょうど2016年のミネレコ誌1,2月分にもチラッと記載されていたりもします。

2015年7月にはこの地で、エイリアン・アイタイプの蛍石が産出したため一部で話題となりましたが、その標本についてはまた別の機会に。

(4/6/2016)



Mt. Antero

Mt Antero, Chaffee Co., Colorado, USA

18mm×15mm×14mm

 

コロラド州の一つの銘柄産地。

ロッキー山脈に属し標高4,351 mにも達するアンテロ山から出てきた標本。

ちんまりとした八面体結晶ですが、怪しげな紫の入りかたに味があります。透明度もまずまずで、クリアとは言えませんが半透明といったところでしょうか。おそらく白雲母らしきものもちょびっと端にアクセント。

 

このアンテロ山ではおおよそ13000フィート(3900m前後)ぐらいで鉱物を採集しているようで、綺麗なアクアマリンや煙水晶などがでるみたいですが天候の関係から晩夏にしか採集できないのだとか。

アルプス山脈のピンク・フローライトと似たお話ですね。

 


Moffat Tunnel

Moffat Tunnel, Cripple Creek District, Teller Co., Colorado, USA

Collected in mid 2015

68mm×40mm×25mm

 

昨年見かけた人も多いのではないでしょうか、コロラド州の変わり種蛍石標本。

100年ほど前に廃鉱山となった金鉱山から昨年の夏ごろに掘り出してきて、採集の一部はテレビも入ったという触れ込みのもの。

物としては数mmの紫色な蛍石がこれでもかと散らばっており、白い部分は濁沸石のバライト仮晶とのこと。紫色をした毒々しい子持ち昆布みたいな感じの標本です。

そして撮影はおろかすこし触っただけでも、蛍石がボロボロととれやがります。触りたくない。

 

ただ鉱山名については、もしかしたら?間違っているのかも。CrippleCreekまでを産地として流通していることが多いかもしれません。なんにせよ、レア物の類。

(7/2/2016)

 

幾つかの情報から判断すると、やはり産地が違うところだった模様。

Moffat Tunnelという1920年代に開通したトンネルとのこと。

(8/16/2016追記)