カナダの蛍石

  MadocやHighway7 Roadcutに、Hiway17 Roadcut、Flamboro Quarryなどのオンタリオ州のものが最もメジャーですが、他にもブリティッシュコロンビア州のRock Candy鉱山やケベック州などの標本も流通しています。


Flamboro Quarry

Flamboro Quarry ("Flamborough Quarry"), West Flamborough Township, Wentworth Co., Ontario, Canada

42mm×20mm×20mm

Mined c. 2011-2014

 

Flamboro Quarryの茶色いミニチュア標本。

外側はほぼ無色から若干淡い空色、中心部に向かうほどキャラメル色の配色。

オレンジ色の閃亜鉛鉱の粒が良いアクセントとなっています。 なにより結晶のGemmyさと照りが良いです。

 

アメリカ大陸で茶色い蛍石と言えば、最もポピュラーなものはアメリカ・オハイオ州はClay Centerの蛍石(例えばコレ)。
このFlamboro Quarryを含めた、オンタリオ湖のほとりWentworth Co.の蛍石は、Clay Centerの蛍石と似た見た目をしています。 加えて、蛍光も似たような乳白色の蛍光です。

(そのタイプの蛍石はミシガン州などでもでるわけですが。)

 

あえて区別するならば、Flamboro Quarryのものはオハイオ州のものとは違い天青石ではなく閃亜鉛鉱と共生していることが多いことがあるかもしれません。

ただし、これもオハイオの別産地では茶色や紫の蛍石に閃亜鉛鉱が共生することもあり、簡単にこれはオハイオ州、これはミシガン州、オンタリオ州と区別するのは難しいのではないでしょうか。。

 

 



Lafarge (Dundas) Quarry

Dundas Quarry ( Lafarge Quarry), West Flamborough Township, Wentworth Co., Ontario, Canada

30mm×20mm×17mm                  Largest = 10mm

第36回名古屋ミネラルショーにて購入


カナダのある程度有名な産地、Dundas Quarryの蛍石。

色は琥珀色と無色が入り混じって感じで、このオンタリオ州で採れる蛍石らしい色合い(パッと見有名なオハイオ州の蛍石に似ている)をしています。

形もしっかりとしていて、勿論白く蛍光します。

小さいながらしっかり纏まっていて、いいサムネイルなんじゃないだろうか。


この産地は所有者の入れ替わりが何度もあったため、古くはDundas quarryやSteetly quarryとして知られていましたが、最近はLafarge quarryと呼ぶらしくこの標本もLafarge quarryのラベルで購入したので比較的最近の産出のものかもしれない。

位置的には上にあるFlamboro quarryと目と鼻の先で、オンタリオ湖のほとりにあります。

最大で10cmのこの色合いの蛍石が産出しているらしいが、大抵は数センチサイズに納まり、色合いはこの手の薄い琥珀色~黄色のような色合いで白く蛍光します。


Montrose Rock Dump

Fluorite from Niagara Falls

Montrose Rock Dump, Niagara Falls, Ontario, Canada

35mm×30mm×20mm    Largest = 12mm

Ex. Dr. Steve Chamberlain collection

prev. George and Marion Springs.

 

Niagara Fallsのすみれ色の蛍石。

メインの結晶の裏側には剥離痕があったりしますが、全体としてみるとスッキリしたすみれ色が綺麗。

2枚目の写真のように、よく見ると綺麗なファントムがあります。

 

個人的にはNYの無色や青色の蛍石と似たところがありますが、ちょうどアメリカ・NY州とナイアガラの滝を挟んだ向かい側に位置しています。

Naigara Fallsにある石灰岩採石場では、青や紫、透明だったりの蛍石が採れているみたいです。



Madwaska(Faraday) Mine

Madawaska Mine (Faraday Mine), Bancroft, Ontario, Canada

12mm×11mm×10mm

EX. Frank Melanson Collection,  Collected in 1950's?

 

オンタリオ州にあるウラン鉱山から採れた八面体式の蛍石。

1㎝程度と小粒で白く靄がかかった部分もありますが、鮮やかな深緑の色合いが印象的な標本。ロジャリーの緑や、南アのメロンソーダ色とはまた違った綺麗さです。

 

Faraday Uranium鉱山は1954年~64年にかけてFaraday鉱山として稼働し、一度閉山したあと75年にMadawaska鉱山として再開し82年に閉山しています。資料をあたると1965年前後に5~7mm程度で深緑色の蛍石がとれたと記載されています。

 

以前の持ち主で、コレクター兼ディーラーのMelanson氏のラベルによると50年代のものらしいが…さて。



Silver Islet Mine

Silver Islet mine, Silver Islet, Sibley Township, Thunder Bay District, Ontario, Canada

65mm×50mm×40mm

Ex. Jonathan Zvonko Collection


この産地の蛍石との出会いは2014年・東京ミネラルショー。

石友の一人が、今まで見たことのないカナダ産の蛍石と紫水晶の標本を入手していたのです。話を聞いてみるとオンタリオ州・Silver Isletのものだという。調べてみるとスペリオール湖に浮かぶ小島のようで、1868年に銀が発見されてから1884年にCloseしてしまうまでの16年間に$325万ドル相当の銀を産出した、カナダの伝説的銀鉱山の様子。まさしく”銀の小島”。

これは入手するしかないということで石友の入手先であるカナダの鉱物商にメールし、頼んで持ってきてもらった3個のみの標本のうち1個。

 

ぬらっとした紫水晶の側面を緑色の蛍石が取り囲んだ標本。蛍石は最大で5~6mm程度、緑色の内部は赤茶色となっている様子、何やら金色の鉱物も付着しています。ずば抜けて綺麗な標本ではありませんが、カナダの蛍石としては綺麗な標本の範疇に入ると思いますし、何より産地のレアさで十二分においしいです。

 

しかし150年近くも前に閉山して現在はアクセスできない鉱山であって、銀標本の値段はべらぼうなこの産地。本当にその当時に産出した標本か気になるのは当然で、カナダ人ディーラーにいくつか尋ねてみました。 その彼曰く、「2年前に友人が別の鉱物商のオールドストックから1flat分みつけて、そこから4個だけ入手できた。君からメールをもらってまだ在庫はないかと友人に訪ねたが、枯渇している。年代はわからない。」とのことでした。仕方がないのでいくらか調べてみると、1919年と1970年代に鉱山再開発の試みがあったとのことで、その1970年代の時にでてきたものと考えると自然かもしれません。


Highway#5

Fluorite from Highway#5, Quebec

Highway#5(Autoroute 5) Road Cut, near Old Chelsea, Quebec, Canada

25mm×15mm×16mm

Ex. Paul and Dawn Dunning Collection

Mined c. 1974

 

ケベック州のちょっと風変わりな蛍石の結晶。

完璧ではないですが、パステルなミントグリーンを主体に、角っこに紫色の部分があって面白い。

表面はエッチングのせいかザラザラ。

これで結晶が完璧だったら申し分のないサムネイルだった。

このHighway#5と、そのすぐ東をガティーノ川に沿って走るRoute105の周辺は面白い形や色合いの蛍石がとれたようで、詳しく調べると高速道路建設時の1974年にあったFindのものと思われます。その際はカナダ国立博物館による調査やコレクターによってすぐ採取されつくされ、以後同様のものは見つからずに30年。

25個の標本といくらかの破片が回収できたとのことで、これはその破片の1つなのだろう。(Grice, J.D. 1981 MR誌12Vol.2 )

 

ちなみに、広大なケベック州ですが、この産地はオタワ川を挟んですぐ向かい側にオンタリオ州という位置。

なお、Autoroute 5はHighway#5のフランス語版らしい。