コーンウォールの蛍石

 

Cornwallはイギリス本土つまりグレートブリテン島の最も南西に位置しており、イギリスの古典的な蛍石産地の一つでもあります。その歴史は古く13世紀にはこの一帯で銀、鉛、銅などを採掘していたとの記述もあります。

具体的にはWheal Mary AnnやWheal Trelawny、East Pool、Trevaunaceなど数多くの鉱山が存在していました。しかしながら、コーンウォールの蛍石は現在ではあまり流通していません。


ちなみに、コーンウォールと西デボンの廃鉱山群は2006年に”コーンウォールと西デヴォンの鉱山景観”として世界遺産に登録されています。ウィキペディア含め資料がネット上で充実しているので検索すると幸せな気分になれるかも。Let's google it!

 

 



South Crofty Mine

South Crofty Mine (South Wheal Crofty), Carn Brea, Camborne - Redruth - St Day District, Cornwall, England, UK

19mm×18mm×16mm

 

蛍石とビスマス硫化物である輝蒼鉛鉱の組み合わせ。

というよりも、蛍石に輝蒼鉛鉱がこれでもかと突き刺さっているといった方が正確でしょうか。この見た目からは中国湖南省・Yaogangxianの毛鉱入り蛍石に似ているという印象もうけます。

 

サイズは小さいですが濃い紫色でしっかり六面体式の蛍石で、ライトを強くあてると青みがかった紫色をしていることがわかります。輝蒼鉛鉱とのコントラストは本当にユニーク。

 

このSouth Crofty Mineも古い鉱山でその歴史は16世紀末に始まったとあります。錫や銅を目的としていたそうで、蛍石に関して見る限りでは紫系統のものが多いかもしれません。



Pell Mine

Pell Mine (Great Pell Mine), St Agnes Consols (Polberro Consols), St Agnes, St Agnes District, Cornwall, England, UK

50mm×40mm×30mm

Ex. H.R.McBroom Collection #3171

 

現在では入手の非常に困難なコーンウォール・Pell鉱山の蛍石&錫石の標本。

1870年代にはすでに稼働していた鉱山のものなのでアンティークといってもいいでしょう。

 

蛍石はレモン色を中心として、空色の部分が取り囲む爽やかなバイカラー。

六面体式の結晶となっていて、表面部分には微かにに紫色の斑点。トリカラーというには少々弱いですが。

この爽やかさはイリノイ州のBethel Levelあたりなんかと共通したところがあるかも。。

 

ちなみにページ冒頭に記載したとおり2006年に”コーンウォールと西デヴォンの鉱山景観”が世界遺産に登録されています。Pell mineを含むSt Anges Mining districtもその中に含まれていますので、この標本も世界遺産なところから来たのだなと思うと(無駄に)ありがたみを感じてしまいます。

海岸線に沿って鉱山跡があったりするイメージを持っていまして、いつかきっと訪れてみたいものです。

 

St Agnesの蛍石としてはWheal KineやTrevaunace mine、そしてこのPell mineあたりが知られていますが、特に結晶にTetrahexahedralな面が表れているものが有名です。

生憎とこの標本では表れていませんが、ネットの海でもTetrahexahedralが強く表れたTrevaunace mineの紫色の蛍石標本をいくつか確認できることかと思います。

 

なお元の持ち主はコロラド州の地質学者/コレクター。

その彼は、1983年にコーンウォールの著名ディーラーだったSam Weller氏からトレードでこの標本を入手しています。


Wheal Jane

15 Level, Wheal Jane (Falmouth Consolidated Mines), Baldhu, Kea, Redruth, St Day District, Cornwall, England, UK

46mm×45mm×43mm

 

目を見張るのはその色。

鮮やかなメロン色と水色のハーモニー、メロンソーダ味とソーダ味のグミ。

産地の希少性とかを忘れて色がすべてといってもいいでしょう。緑と水色って夢のようじゃないですか。

 

4cmを少し超えた掌サイズの立方体ですが、結晶の角はダメージもしくはコンタクト、あるいは…とちょっと判別に困る見た目。しっかり見ればもう少しわかるのかも。

 

1991年に閉山したというWheal Jane。その歴史は古く1700年代中ごろから銅鉱山して見出されていようで、断続的に20世紀まで稼働していた様子。

こと蛍石に限ってみてみると、緑の美しい標本や、1990年ごろには緑と紫のバイカラーの美品が出たなどとの記載が手元の書籍には存在していました。

とはいうものの、私自身Wheal Janeの蛍石を見たことはほぼないのですが…。

ちなみにWheal Jane、ラドラム鉄鉱のType Localityなんですって。