アイルランドの蛍石

 

隣国のイギリスとはうってかわり、アイルランドの蛍石というのは市場で見かけることはほぼありません。とはいっても、何度か目にしたことがあるものとしてLettermuckoo quarryやDoolin Mineの蛍石が挙げられます。

そのほかにも幾つか蛍石が産出するところはありますが、全体として色の濃淡はあれど紫色の蛍石が多いです。

 

 


Granite Quarry

Granite Quarry, Shannapheasteen, Connemara, County Galway, Irish Republic

Miniature Sized

Collected in September-October/2016

 

アイルランドの2016年新産蛍石。2017年春より一部で流通しはじめ、蛍石コレクターの間ではちょっとした話題になりました。

そもそもこのGalway州、下にあるLettermuckoo quarryなど蛍石を含め種々の鉱物がとれる地域です。そのなかでも花崗岩採石場が集中する一帯があり、そのうちの一つの採石場からでてきた物がこれです。

現在この採石場では鉱物標本はバイプロダクト扱いとなっており、コレクターのアクセスは禁止となっているようです。2017年春に市場に一番最初に流通した際に運よく入手することが出来ました。

 

蛍石の色合いは淡い紫または紫青から濃い紫まで存在し、一部では緑色八面体のファントムが確認できます。写真で再現することは難しく諦めましたが、この標本においても側面からみれば綺麗な緑色の山が入っていることが見えるのです。また結晶の端は緩く丸みを帯びる傾向があり、これもその特徴をよくとらえているかと思います。

なお水晶や緑簾石などと共生することもあるようですが、生憎とこの標本は蛍石単体でした。

 

蛍石は勿論のこと、新産が少なくなりつつある鉱物標本界です。新産物かつライトにあてると非常に楽しいもので久しぶりの手ごたえを感じました。

(2017/4/9)



Lettermuckoo quarry

Lettermuckoo quarry (Mickey Tess Quarry; Lough Naskeha Quarry), Kinvarra, Connemara, Co. Galway, Ireland

33mm×32mm×23mm  Largest =10mm

Collected 2005

 

数少ないアイルランドの蛍石の中では比較的目にするLettermuckoo quarryの蛍石。

この産地の典型例にもれず、濃い紫色をした八面体の蛍石に緑泥石や重晶石などが共生しています。

結晶のサイズは1㎝とまずまずの大きさですが、結晶に欠けがあるのは入手難易度を考えればこの際仕方ないですね。

全体として見てみると、紫色の八面体とモスグリーンの緑泥石が山がちな地形のように所狭しと集まり、アクセントに重晶石が白く付いているのが渋い。

 

Lettermuckoo quarryは花崗岩の採石場のようで、オーナがMickey Tessという人?に代わってからはMickey Tess Quarryとも呼ばれているようです。

なお比較的目にするとは書きましたがタイミングが合えばの話であり、探し始めると結構大変だったりします。

(1/4/2017 編)