黒い森の蛍石(シュバルツバルト)

 

黒い森の蛍石はドイツの中でもsaxonyのものと共に双璧を成します。

黒い森自体はバーデン=ヴェルテンベルグ州に位置し、ドイツの南西に位置します。

この周囲の蛍石はClara鉱山がずば抜けて知名度が高いかもしれません。

またBrandenberg鉱山やHesselbach鉱山など青い蛍石を産出するところも有名ですが、青い蛍石ばかりというわけではなくむしろ透明なものや、鉄分の影響で表面が赤褐色になったものなどの方が多い気がします。

個人的にはArtenberg Quarryの八面体と方解石の組み合わせが一番好みだったりします。


Clara Mine

Blue fluorite from Clara Mine

Clara Mine, Rankach valley, Oberwolfach, Wolfach, Black Forest, Baden-Württemberg, Germany

37mm×33mm×33mm     Largest = 37mm

 

ドイツの有名どころ、黒い森・Clara鉱山の蛍石。

色は青、ナイルブルーぐらいの色あい。

すべての部分で透明というわけではないですが、透明な部分からみえる濃い青のファントムがいかにも。

室内でも充分きれいですが、ちょこっと光にかざすとよりファントムが綺麗に見えます。(写真下段・3枚目がライトなし)

裏面には剥離痕とリヒールした部分あり。(写真ラスト)

 

Clara鉱山自体有名な鉱山ですが、蛍石に限って言っても、ウォータークリアなもの、鉄分の影響なのか表面がオレンジ色になったもの、紫色のも、そしてファントム満載の青など色々なタイプがでてくる夢の詰まった産地です。

そして現在でも稼働中の鉱山で、お金を払えば一部で採掘させてもらえるんだとか。うらやまし。

 

Clara Mine, Rankach valley, Oberwolfach, Wolfach, Black Forest, Baden-Württemberg, Germany

15mm×13mm×13mm

Collected in 1978

 

Clara鉱山のサムネイル。

紫色の蛍石は分離結晶となっており、程よい透明感を備えた綺麗な紫色。一つだけ水晶が付着した面もあり、どこかしらスペイン・Asturiasの蛍石と似た雰囲気も漂ってきます。Clara鉱山で採れる蛍石のバリエーション豊富さが窺い知れます。

 

 以前の持ち主はドイツのコレと同じ方。1978年採集品となっており、勿論ベルリンの壁崩壊が崩壊するよりも昔のため国名表記はBRD(ドイツ連邦共和国)になっています。歴史を感じられる標本にはニヤついてしまう人もきっと多いはず。

(7/31/2016)



Hesselbach Mine

Hesselbach Mine 蛍石 Fluorite

Hesselbach Mine, Odsbach, Oberkirch, Black Forest, Baden-Wurttemberg, Germany
68mm×35mm×30mm

ドイツ・シュバルツバルトの古典的産地・Hesselbach Mineの水色蛍石。
それほど状態が良くないが、大きさはそこそこ。
水色とは言うものの光源によって印象が変わる気がします。

赤い母岩とのコントラストはかなりいい感じ。

Hesselbach鉱山自体は1959年に閉山しているとのことなので、流通量はやはり少ないです。この鉱山の蛍石は深青色のものが有名なのですが、中々思うように入手できず残念なところ。とはいっても、ドイツの業者なんかはちょくちょくこの産地のものを持ってくるのでないわけではないんですけれど…ね。



Erzengel Gabriel Mine

Blue Fluorite, Citrine,pyromorphite

Erzengel Gabriel Mine (Gabriel Mine), Einbach valley, Hausach, Black Forest, Baden-Württemberg, Germany

65mm×65mm×30mm Largest = 7mm

Circa 2013~2014

 

これもまた黒い森の蛍石。

それと、鉄分のせいか黄色く色づいた水晶と緑鉛鉱が共生しています。

色合いは綺麗な青で、一つ一つは小さいですが群れを成した青と水晶の黄色、緑鉛鉱の緑と大変カラフルで美しいです。

こんな組み合わせもあるんだなぁ…

ちなみに裏側にも青い蛍石が沢山ついていたりするのですが、この母岩が大変脆く触っただけでポロポロと零れ落ちてゆくので扱いが大変難しい…のです…。

また、光源でカラーチェンジまでします。

 

このErzengel Gabriel Mineも青い蛍石で有名で元は18世紀に廃棄された鉱山らしいのですが、現在も採集が可能なのかちょこちょこ市場に出回る産地でもありなおかつ人気な産地でもあります。この産地の蛍石はClara鉱山などとは違いそれほど大きいサイズのものはほぼ出回りません。1㎝を超えると大きいと言えるのではないでしょうか。

なお、これは採集した人に頼んで直接日本まで送ってもらったものです。

 



St. Johann am Klosterbach Mine

St. Johann am Klosterbach Mine, Wittichen, Black Forest, Baden-Württemberg, Germany

25mm×24mm×23mm

Mined in January/2015

 

2015年初頭、新産の黒い森産蛍石。

黒い森と単純に言っても、よくあるClara鉱山やHesselbach鉱山ではなく、

St. Johann am Klosterbach 鉱山という聞いたことのない産地から遥々日本へとやってきたもの。

 

完全な結晶ではないですが、充分な透明感、鮮やかな水色を兼ね備えた結晶は見目麗しく、流石は黒い森といったところ。

ドイツらしく赤々しいヘマタイトが付着している面もあり、それもアクセントとなっています。

少々弱めですがゾーニングもあり、これで完璧な形だったらなぁとばかり思います。しかし出回っているものを見ると、完璧な結晶はほぼ/或は全くないようです。

 

手元にある他のBlackForestの青い蛍石と比べて見ると、よくあるHesselbachよりは色濃く、Claraの物より鮮やかでミルキーな色合いに映ります。

 

2015年の春先から少数この鮮やかな水色の蛍石が少数流通していますが、それ以前はさほど蛍石標本として国際的に流通していなかった産地と見受けられ、実際にMindat等には産地の記載がなくドイツ語で検索してやっとヒットするいった具合です。

また水色の標本と同時に、ほぼ無色透明クリアな結晶で一部に緑か紫がほんのりと散っているような標本も出回ってきています。

 

一時的な産出になるのか、これから流通量が増えていくのか、それとも少量ではあるものの流通し続けてくれるのか、見守っていきたいところです。

St. Johann am Klosterbach Mine, Wittichen, Black Forest, Baden-Württemberg, Germany

37mm×35mm×16mm

Mined in January/2015

 

これもまたSt. Johann am Klosterbach 鉱山の蛍石で2015年1月に産出したもの。

ただしよくある水色ではなく、無色系統のもの。無色系統も産出当時には幾らか出回っていたのですが、水色系統のものと違いあまり綺麗なものは見かけられなかったのです。

 

この標本は5mm程度の結晶で構成されていますが、緑や空色のニュアンスが含まれており清涼。

球状のヘマタイトの小さなインクルージョンもあり、さながらあんみつ系か。

 

ちなみに蛍石と関係なくヨーハンという名前には思いいれがあるため、エリカ鉱山とならんで名前が好きな鉱山。しかしここからはHesselbachのように5㎝を超えるような標本は出てこないようだ・・・

(2016/9/18)

 



Artenberg Quarry

Artenberg quarry, Steinach, Haslach, Black Forest, Baden-Württemberg, Germany

Thumbnail Size

 

緑色で八面体の蛍石と鉄分が入ったのか赤味がかった方解石が共生する銘柄産地。

片麻岩の採石場とのことですが、現在は採集禁止のようでドイツ人からは人気のある産地のようだ。

結晶は満点ではありませんが、この産地としては大粒で見ごたえがあります。ちなみに、蛍石表面の白い部分は微細な水晶らしい。

黒い森の蛍石といえば青緑色の物ばかり取りざたされますが、こういうのもあるんだよ!ということで一つ。

(2016/12/24 編)

Artenberg quarry, Steinach, Haslach, Black Forest, Baden-Württemberg, Germany

Miniature Size

 

それじゃあヘマタイト入り方解石と共生した標本だとどうなるのっていうのがこれ。

緑色の蛍石はダメージなく、赤くドットの入った方解石と毒々しくみせてくれる。

ただし、結晶のサイズは1cm程度と上の標本に比べれば小さく、蛍石の色も弱い。

これと上のものが合体してくれれば良かったのだが・・・

欲を出さずとももっと上質な標本が欲しいのだが、そもそも物が出てこないだ。南無三!

(2017/7/9)