スイスの蛍石

 

スイスはフランス以上にピンク色を呈する蛍石の産地として有名な国です。

数千メートル級の山々が連なるスイスアルプス。そこから産出する宝石にも匹敵しうるピンク蛍石は私たちコレクターの垂涎の的と言えるでしょう。

Zinggenstöcke, Tierberg, Planggenstockなどが代表的な産地としてあげられます。

勿論ピンク以外にも緑や紫、はては青い蛍石までも産出していますが市場で見かけることは稀かもしれません。


 



Göscheneralp

Göscheneralp, Göschenen Valley, Uri, Switzerland

20mm×20mm×18mm


著名なスイス・アルプスのピンク・フローライト。

ただピンクフローライトとしてすぐ思い浮かぶようなホットピンクやサーモンピンクといった色合いよりは、真朱のような茶色をかんだようなピンク色の標本。


表面はザラザラになっており一部には恐らく緑泥石のインクルがうかがえますが、端正な八面体でピンク系なのに全体として落ち着いた印象をうけます。


Göscheneralpはスイスアルプスのピンク蛍石の産地としてしられ、他の産地同様煙水晶や氷長石を伴って産出されます。


Bächlistock

Bächlistock, Bächli Valley, Grimsel, Bern, Switzerland

36mm×27mm×20mm


一般に想像されるピンクフローライトとは趣がちがうけれども立派なスイスアルプスの蛍石。


ブラウンシュガーのような氷長石との母岩には、すこぶる透明度の良い蛍石が八面体に十二面体と六面体の面が現れつつも激しくステップを形成してその存在を主張しています。

色合いは無色透明のように見えて中心部はほんのりピンク色、結晶の稜線にはちょこっと紫色。ピンク色でないからと言ってスイスの蛍石を侮るなかれということでしょう。

どぎついピンクよりもほんのり桜色が好きならば、確実に気に入ることだろう色遣い。

 

産地の表記は購入時のままBächlistockとしましたが、あまりBächlistockでは蛍石がネット上ではヒットしない模様。幾つかの成書をあたってみたところIm Bächliという産地はみかけましたが、一応ドイツ語ではネットでもヒットするようです。

何にせよ有名なグリムゼル・エリアの蛍石であることには間違いなく、購入時にはかなり古いものだということだったので産地がうまく出てこないのも仕方ないことかもしれません。


追記

ドイツ語ではBächlitalのtalの部分がValleyに相当します。 Bächlistockのstockとはドイツ語ではなくスイスドイツ語?とのことで、階層になっていることや切り株を指すとのことです。

(ドイツ語OKな方よりご指摘)